起動方法
Windows環境とMac環境で起動までの手順が異なります。
また、起動時にはOSPRayの動的ライブラリへの検索パスの指定が必要になります。
バッチファイル(Macの場合はシェルスクリプト)経由でShade3Dを起動します。
それぞれの環境での起動手順を記載します。
Windows環境
https://www.ospray.org/ より、OSPRayの「downloads」を選択し、
Windows版の「ospray-2.3.0.x86_64.windows.msi」をダウンロードしてインストールします。
このときのインストールフォルダを「C:\Program Files\Intel\OSPRay v2」とします。
この部分はインストール環境に合わせて変更可能です。
Shade3Dのレンダラプラグイン「DOKI64.dll」をShade3Dのpluginsフォルダにコピーします。
Shade3D ver.17の場合は、初期状態では「C:\Users\ユーザ名\Documents\Shade3D\Shade3D ver.17\plugins」がpluginsフォルダになります。
Shade3Dを実行する際は、OSPRayの実行ファイルがあるフォルダを検索できるようにする必要があります。
以下のようなバッチファイルをテキストエディタで作成してShade3Dを起動します。
ファイル名を「run_shade3d_v17_with_OSPRay.bat」としました。
set OSPRAY_PATH=C:\Program Files\Intel\OSPRay v2
set PATH=%OSPRAY_PATH%\bin;%PATH%
set Shade3D_APP=C:\Program Files\Shade3D\Shade3D ver.17
"%Shade3D_APP%\bin\shade.exe"
「OSPRAY_PATH」にOSPRayのインストールフォルダを指定、
「Shade3D_APP」にShade3Dのインストールフォルダを指定します。この場合は、ver.17を使っています。
なお、バッチファイルは「run_scripts」フォルダ内にいくつか例として置いていますので、ご参照くださいませ。
もう1つ、大事な調整があります。
OSPRayで使用している「tbb.dll」ファイルは、Shade3Dの実行ファイルからも参照されています。
Shade3D側の「tbb.dll」ファイルは古いため、OSPRayと衝突します。
このため、そのままではShade3D上のDOKIプラグインを認識することができません。
これを回避するため、Shade3Dのインストールフォルダ内の「bin」内の「tbb.dll」を「tbb._dll」のようにDLL(動的ライブラリ)と認識されないように、拡張子を変更してください。
「run_shade3d_v17_with_OSPRay.bat」をエクスプローラでダブルクリックすると、Shade3Dが起動します。
起動後イメージウィンドウを表示し、レンダリング設定ウィンドウで「手法」より「DOKI」が選択できることを確認します。
もし「DOKI」が存在しない場合は、OSPRayが正しくインストールできているか(バージョン 2.3.0です)、
レンダラプラグイン「DOKI64.dll」が起動するShade3Dのバージョンのpluginsフォルダに配置されているか、
Shade3Dの実行ファイルのあるフォルダ内の「tbb.dll」が「tbb._dll」などにリネームされているか、
起動用バッチファイルの内容が環境に合っているか、
確認するようにしてください。
Mac環境
Macの場合は、別途OSPRayをインストール必要はありません。
プラグイン「DOKI.shdplugin」内にOSPRay 2.3.0がバンドルされています。
また、Windows環境と同様に、実行時にOSPRayの動的ライブラリを検索する必要があるため、スクリプトを記載する必要があります。
Shade3Dのレンダラプラグイン「DOKI.shdplugin」をShade3Dのpluginsフォルダにコピーします。
Shade3D ver.17の場合は、初期状態では「/Users/UserName/Documents/Shade3D/Shade3D ver.17/plugins」がpluginsフォルダになります(UserNameにユーザ名が入ります)。
以下のようなファイルをテキストエディタで作成してShade3Dを起動します。
ファイル名を「run_shade3d_v17_with_OSPRay.command」としました。
#!/bin/sh
# Shade3DでDOKIプラグインを有効にして実行.
# Shade3Dのアプリケーションのフルパス.
Shade3D_APP="/Volumes/HD-PEU2/Application/Shade3D ver.17.app"
# Shade3Dのドキュメントフォルダ内プラグインフォルダのフルパス.
Shade3D_PLUGINS_PATH="/Users/UserName/Documents/Shade3D/Shade3D ver.17/plugins"
export DYLD_LIBRARY_PATH="${Shade3D_PLUGINS_PATH}/DOKI.shdplugin/Contents/Frameworks"
"${Shade3D_APP}/Contents/MacOS/xshade"
「Shade3D_APP」にShade3Dのアプリケーションパッケージを指定、
「Shade3D_PLUGINS_PATH」にShade3Dのプラグインフォルダを指定します。
注意点として「=」の前後にはスペースなどの空白を入れないようにしてください。
「/Users/UserName/Documents/Shade3D/」の「UserName」は環境に合わせたユーザ名です。
この場合は、ver.17を使っています。
「export DYLD_LIBRARY_PATH」で、「DOKI.shdplugin」内に含まれるOSPRayの動的ライブラリのパスを指定しています。
なお、起動用のスクリプトファイルは「run_scripts」フォルダ内にいくつか例として置いていますので、ご参照くださいませ。
「run_shade3d_v17_with_OSPRay.command」をファインダーからダブルクリックすると、Shade3Dが起動します。
起動後イメージウィンドウを表示し、レンダリング設定ウィンドウで「手法」より「DOKI」が選択できることを確認します。